「誰にもわかる『スパイ防止法』 ─正しく学ぶ三つの章」
誰にもわかる『スパイ防止法』─正しく学ぶ三つの章
著者:スパイ防止法制定促進国民会議
発行:世界日報社、1987.9.1
本書「はじめに」より
スパイ防止法案(通称)は、昭和60年6月6日、自民党から議員立法として第102国会に提出され、同月25日の最終日には36年ぶりの堂堂めぐり継続審議になり、続く臨時国会では野党による審議拒否にあって審議未了のまま廃案になりました。これが原案(=国家秘密に係るスパイ行為等の防止に関する法律案)でした。
その後自民党は、広く各界各層の意見を聞いてこれの修正を行い、いま再度国会に提出しようとしています。これが、修正案すなわち『防衛秘密を外国に通報する行為等の防止に関する法律案』です。
このスパイ防止法制定を求める人々の声は益々大きくなり、地方議会での制定賛成議決は、全体の過半数を超え、いまや国民の声となっています。
もちろん反対する声も聞かれるようになってきました。ところが、反対する声は観念的、感情的なものが多く、法案をよく読んでいないように見受けられることもしばしばです。
この本は、ひろく一般にスパイ防止法案の正しい理解を勧めるために出版されました。第一章では、まず法案の各条文に対してよく聞かれる疑問や反対の声に回答し、続いて制定そのものに対する総論的疑問に答えました。第二章では、関連する資料を一挙に掲載し、第三章では、戦後最大、未解明のスパイ事件を劇画で紹介しました。
これまで反対だと思っていた人も、賛成している人も「スパイ防止法案」とはどんなものか、もう一度読んでみて下さい。いままで疑問や不安に思われていたものがきれいに消え去ることと確信致します。