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20119

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江本武忠
(えもと・むちゅう)

(2005/12/06(Tue.) 12:50 〜 2005/10/05(Wed.) 15:17)

  新しいブログサイト 2005/12/06(Tue.) 12:50 

「天地の諸事情」[Click Here!]は、江本武忠が運営する楽天ブログサイトで、趣旨としては「統一教会・統一運動の観点から世評・時評などを扱うサイト」という感じでしょうか。
まあ、スタンスにこだわるわけではありませんが、大体そういう方向ということです。

まだまだ未熟な状態ですが、なんとか続けていきたいと思っております。
よろぴく。o(^o^)o



  みなさん、ありがとうございました! 2005/12/05(Mon.) 13:55 

「むちゅうの気まぐれ日記」は閉鎖します。
そのかわり、楽天広場のブログ「天地の諸事情」に置き換えて、世評や統一教会関係の話題を書きますので、どうぞよろしくお願い致します。

超人類ネット会長
江本武忠(えもと・むちゅう)



  裁判員制度に対する疑念(2) 2005/11/22(Tue.) 14:22 

以下で述べた裁判員制度に対する私の疑念を要約すると、次の3点になります。

(1)法律や過去の判例等を全く知らない素人の裁判員が加わった場合、それが「より正しい判断」になる可能性はきわめて低いこと。

(2)裁判員に選定されると拒否できないので、仕事や家事で忙しい中を不平不満や憤りの気持ちを持ったまま参加するケースが多くなり、被告人にとって厳粛で公正な裁判を受ける権利が侵害されること。

(3)裁判員は国民の中から無作為に選出されるため、心身に問題のある人(ノイローゼ等)や法律に全く無知な人から法律学者、法務関係の国家資格のある者まで、その格差があまりにも著しく、被告人にとっては「当たりはずれ」が顕著であって、平等な裁判を望む被告人の人権を侵害する恐れがあること。


以上の内容に加えて、更に裁判員の守秘義務の件についても述べておきます。

裁判員には「守秘義務」があって違反すると懲役刑を含む厳しい罰則があるわけですが、もともと守秘義務などとは無縁だった人間が「被告人のことについては絶対に黙っておれ」と言われても、何となく無理があるような気がします。例えば、裁判員をやった人が酒に酔った勢いで他人に裁判の内容を言いふらす、というようなことは十分あり得るのではないでしょうか。一般国民に対して法務関係者と同等の「守秘義務」を課する、ということ自体が不自然ではないかと思います。そして、そのことは被告人にとっては重大な人権侵害をもたらすものであると言わざるを得ません。

確かに国民が裁判に関心を持つべきである、という立法の趣旨には私も賛同できるのですが、本来それは徴兵制のように強要したりする性質のものではありません。要するに、裁判員制度というものは法律関係者が国民の意識や被告人の人権擁護の立場を無視して(自らの法律感覚を国民全体に強いる形で)造り上げていったものである、という性格がきわめて強いように私には思えてなりません。



  裁判員制度に対する疑念 2005/11/21(Mon.) 23:42 

新しい法案として「裁判員制度」というものが成立したことは、報道などでよく知られるようになりました。これは、国民の中から無作為に選出された裁判員が刑事裁判について有罪・無罪を決めたり刑の重さを判断する制度です。裁判員として選ばれた人は原則的には断ることができませんので、自分が裁判員になった時のことを常に考えておかねばなりません。

最近、最高裁判所が裁判員制度についてのサイトを作ったようです。実は、私は以前からこの制度に大きな疑問を持っていましたので、そのサイトの「ご意見」という所に投書することにしました。

ところが、投稿は500字以内で、ということでしたので、十分に考えを述べるにはとても収まり切れません。そこで、私のサイト内に掲示することにして、リンク先を提示する形で投書しました。リンク先はここです。

趣旨は、これから実施されようとする裁判員制度は被告人の人権を侵害する恐れがあるから再考を要する、というものです。
裁判員制度という法案は、国民に対して十分に内容が告知されてきたとは言えないと思います。我々も、いつ裁判員として選ばれても不思議ではない時代を迎えるわけですから、この制度についてよくよく考える必要があるのではないでしょうか。



  個人情報保護と名簿の問題 2005/10/28(Fri.) 13:07 

法改正などにより個人情報保護の意識が高まったため、秋田市などは民生委員に対しても「母子家庭名簿」を提供しなくなったという。
秋田市によると、今年も約2600世帯の母子家庭名簿を作成する予定だったが、個人情報保護法が全面施行された4月以降、「市の職員でもない人間がなぜ来るのか」といった問い合わせが相次いだことが中止の理由になっているらしい。

確かに民生委員というのは市の職員ではないけれど、中には彼らの活動のおかげで助かっているといって感謝している人々もいるかもしれません。また一方で、民生委員と特定の政党などが深く結びつき、個人情報を悪用している可能性が存在することも決して否定できません。

また、最近では小学校などでもクラスの名簿(住所、氏名、電話番号など)を作成・配布しない所が増えていると聞きます。これでは、お互いに年賀状を出したり、勉強のことで連絡を取り合うことも難しくなります。その結果、ますます個人メールでの交流が多くなるという現象にもつながるのでしょうか。クラスメイトという人間関係も、なかなか難しい時代になったものです。

個人情報の保護は大切なことです。しかし、個人情報保護法というものは、個人をバラバラにして相互間の交流をなくそうという趣旨ではないでしょうし、個人情報保護は「個人主義」とは異なる考えではないかと思います。その辺、健全で自由闊達な人間関係までもが法律の介入によって萎縮させられる懸念がないかどうか、再考を必要とするのではないでしょうか。



  証券会社のシステム障害 2005/10/25(Tue.) 12:53 

最近は株式の売買をインターネット上で行なうネット株が盛んで、日々の相場で生計を立てる「デイトレーダー」と称される人々の名称も定着しました。
そういう方々にとって、情報を流す証券会社のシステム障害は致命的な打撃となりうるものですが、インターネットにシステム障害はつきもの、ということもまた事実です。

昨日、インターネット証券の「楽天証券」でホームページの売買画面に接続できず、午前中ずっと株式売買が出来なくなるという障害が生じました。「原因は調査中」とのことですが、利用者にとってはシステム障害の原因などに関心があるのではなく、それによって実際に株売買の損失があったかどうか、ということでしょう。

損失がなければ良い、というものでもないですが、もしも会社のシステム障害によって大きな損失を受けた利用者がいたとすれば、その補償問題などについては法律問題も含めて相当ややこしい議論が考えられます。もちろん楽天証券の問題だけではなく、いずれのネット証券でも起こりうる問題です。

一般に、株や先物取引については手数料や参加の仕方など、どんどん自由化が進みました。しかし、それと同時にいわゆる「自己責任」の問題やインターネットで起こる障害についても、今後は会社と利用者がお互いに負うべきリスクについてある程度細かいルールが必要になってきたんじゃないか、という印象を受けます。

顧客が損をするのは「自己責任」。しかし、会社がシステム障害を起こした時は「お詫び」で済まされる。。。どう考えても、これは不公平じゃないかという気もします。



  前原さんは、ポケットから賽銭を出さないのか。 2005/10/23(Sun.) 14:39 

小泉首相と前原民主党代表の党首討論で、靖国問題について論じられました。そこで、前原さんは「ポケットから賽銭を出す。あれはないでしょう。あれは参拝じゃない」などとおっしゃったので、私は驚きました。

一体、前原さんは小泉さんに対して「参拝を控えろ」と言いたいのか、それとも「もっとシッカリと賽銭を捧げて、ちゃんと参拝すべきだ」と言いたいのか、さっぱり分からない議論になってしまった。

そもそも、前原さんは神社にお参りした時、ポケットから賽銭を出すことはないのでしょうか。私を含めて、普通は賽銭箱にお金を投げ入れる時、ポケットから出す人が多いと思うし、実際そういう光景をよく見かけるのではないでしょうか。それとも、ポケットから賽銭を出す大多数の人に向かって「けしからん」とでも言いたいのでしょうか。

批判のための批判。。。前原さんの議論の仕方をみていて、そう思いました。岡田前党首に比べて威勢がいい点は評価できますが、まだまだ国家の舵取りを任せたいと思うには遠い、という印象でありました。



  生命保険の不払い 2005/10/22(Sat.) 20:38 

明治安田生命保険で、過去5年間で52億円(1053件)もの不払いがあったということで社長・役員などが辞任しました。明治安田だけが不良な会社だとも思えないので、たぶん他の保険会社でも同様の不払いが隠されているのでしょう。

この現象は単に会計上のミスということではなく、年金を積み立てても結局はもらえなくなるという、国家の財政構造の縮図ともいうべき類似性があるのではないかと思います。

どうして、こういう重大なことが見過ごされるのかと考えると、理由の一つには保険というものの仕組みが素人(本人)にとってきわめて分かりにくい、ということがあるのではないでしょうか。私など、保険屋さんから何度説明を聞いても計算方法がよく分かりませんでした。ある保険を解約した時など、「あれっ。最初聞いていた話ではもっと戻ってくるじゃなかったっけ?」という不信感すら生じたことがあります。「やっぱり、保険屋が言うようなうまい話はないなあ」などと思ってあきらめました。

そういう状況につけて、今やテレビでは外資系保険会社の宣伝のオンパレードです。医者の診断も不要です、80歳でも簡単に入れます、掛け捨てじゃありません、掛け金も一生涯変わりません。。。この説明はきわめて分かりやすい。なので、これらの文句に飛びつく人もたくさんいるでしょう。しかも、朝から晩まで外資系保険の宣伝を見ないで過ごすことは難しいぐらい、有名な俳優たちが四六時中宣伝しています。

日本は世界でも貯金が多いとか、これから郵政民営化で郵便事業が活性化するんだとか、いろいろなことを予測していても、フタを開けてみれば国民の貯金の多くは外資系保険会社の引き落としになっている、というような悲劇・喜劇もあるかもしれません。

20年間無事故だったらいくらもらえます、なんて言っても、20年後の円の価値がいくらのものか、あるいはその頃日本がどういう状態になっているか誰も分かりません。

私たちは日本人です。このような日本の生命保険会社の悲惨な現状をみて単に批判するだけでなく、今後における日本人の、日本人による、日本人のための資産運用がいかにあるべきかをもっともっと真剣に考えるべきではないでしょうか。



  首相の靖国参拝 2005/10/18(Tue.) 13:20 

小泉首相の靖国神社参拝をめぐる裁判で、大阪高裁は先月違憲の判断を下しました。原告の損害賠償請求は棄却されたので形式的には「原告敗訴」ですが、違憲判決を勝ち取ったことで実質的には原告側の勝訴と言えます。

したがって、原告は「違憲判決」で満足したので最高裁に上告しません。もしも上告したら、憲法を中心に審議する最高裁としては逆に「合憲」という判断をする可能性もあると考えたのかもしれません。そういう意味で、国民としては最高裁の見解を聞けないという不満は残るとも言えますが、ともかく原告が上告しないことによって首相の靖国参拝は違憲であるということが確定しました。違憲判決の確定は、昨年4月の福岡地裁に続いて2つめです。

昨日(17日)の首相の靖国参拝は、まさにこの高裁判決の確定直後のものですから、挑戦的といえば挑戦的な参拝なのでしょう。
判決では首相の参拝が宗教活動であるという趣旨のようですが、私はそうは思いません。例えば首相がクリスマスのお祝いをしても宗教活動とは言えないように、日本人にとって神社参拝は宗教というよりは一種の風習だと考えられるからです。

問題はひとえに、靖国神社に祭られているA級戦犯を首相が崇拝しているかのように誤解されている、という一点に集約されると思います。
今回の参拝は、首相が昇殿せず一般参拝者の形式をとっただの、ポケットから賽銭を出しただの、署名をしなかっただの、柏手を打たなかっただの。。。そういうパフォーマンスによって「総理大臣としての行為ではないし、宗教活動でもない」ということをアピールしているように見えます。

しかし、この際そういうパフォーマンスはほとんど意味がないでしょう。参拝したことは事実ですから、その行為の説明はどこまでも求められるのでしょう。ところが、首相はいつもの通り「適切に判断した」という一点張りを通すのみで、これでは何の説得力もありません。

私自身も靖国神社には参拝しますし、日本人として当然の行為だと思うのですが、海外から誤解されている以上、首相としては誤解を解く責任があるでしょう。
例えば、靖国神社という特定の小さな宗教法人ではなく、外国の要人も案内できるような国立墓地を作って戦死者だけでなく国家功労者・国際的功労者を慰霊する施設を作るというのも一つの案です。

また、そもそも「A級戦犯」というのは不当な裁判であった東京裁判で勝手に付けられたランキングにすぎませんから、いわゆる「A級戦犯」にされてしまった人を含めて改めて各戦没者を正当に評価するような決議を行なうことも必要だと思います。

岸信介元首相なども「A級戦犯」でしたが、東條英機などと同類項で扱える人でないことは確かでしょう。結局、日本はそういう戦後の整理が独立国家として正当になされておらず、ずるずるとアメリカの言いなりになってきたわけで、その“ひずみ”が戦後60年の節目に生じてきたのは当然のこととも言えるのです。自分の国の中で戦後の明確な総決算ができない状態では、他国に対しても説得力のある説明ができないことは当たり前だと私は思います。



  「奇跡の詩人」は真実か、あるいはインチキか 2005/10/11(Tue.) 01:19 

最近、「異議あり!奇跡の詩人」(同時代社発行、2002年)という本を読みました。これは脳障害児などの治療法として著名な「ドーマン法」(ドーマン博士の考案)によって奇跡的に治療され、感動的な詩集を出版するまでに至った「奇跡の詩人」日木流奈(ひきるな)君の治療例について、インチキであると糾弾したもので、左翼弁護士の滝本太郎氏と週刊文春記者との共編著の本です。

滝本氏の仲間で週刊文春の論客でもある元共産党員の有田芳生氏も、この本の内容には共鳴していて、講談社から出ている日木流奈君の本を読んで怒りがこみ上げてきたということが有田氏のホームページにも書かれています。

有田氏いわく、日木流名君の文章は「詐欺的に表現」されたもので「12歳の脳障害児がこのような大人言葉の本を書けるはずがない。いや一般的な発達をした12歳でもこんな子どもらしくない文章は絶対に書けない。いや書かない。(中略)社会経験が乏しい発達段階において、こんな文章を12歳の子どもが書けるわけがない」とのことです。[Click Here!]

2002年4月28日にNHKが日木流奈君の治療例を特集した「奇跡の詩人」という番組についても、その番組の直後に講談社から本が出ていることから講談社とNHKがつながりについても非難しています(しかし、流奈君の本は講談社より大和出版から出ているもののほうが多いですけどね、笑)。

上記の滝本太郎氏の本には有田氏のコメントも載っていて、賑やかさを増しています。私が思うに、まあ確かにドーマン法で不幸にも治療されなかったケースもあるだろうし「指示通りにやったけど治らなかった」というトラブルもあるのだろうとは思うのですが、個々の病状の重さにもよるでしょうし、人間の脳というものはまだまだ人智では測り知れない神秘的な側面もあります。単に唯物的に「治るはずがない」「12歳の少年がこんな文章を書くわけがない」と即断できるものでもないでしょう。

ドーマン法については、むしろ治療が成功した事例の中にこそ、人間の神秘的な回復力、未知の能力について深く考えさせられるものがあるように私には感じられます。そして、そこには唯物主義的な考えを持つ人間には想像もつかない驚異的な脳の機能が秘められていたりするのかもしれません。



  健康食品の「バイブル本」 2005/10/08(Sat.) 12:49 

史輝出版が発行した本で、メーカーとタイアップして健康食品アガリクスの効能を宣伝したということで出版社役員、ゴーストライター、監修者(東海大名誉教授、医学博士)らが摘発されました。

問題の本は「即効性アガリクスで末期ガン消滅!」「徹底検証!末期ガンに一番効くアガリクスは何か」などですが、大きな書店に行けばこういう種類の本は他にも一杯、い〜〜〜〜っぱいあふれています。「メシマコブでガンが治る」「水溶性キトサンでガンが治る」「霊芝でガンが治る」「βグルカンでガンが治る」「SOD様食品でガンが治る」「微量元素でガンが治る」というような調子で、あげればキリがありません。

しかも、内容はゴーストライターが書いた作文である可能性もあり、権威付けのために名前を貸している監修者も、たいていは医学博士だの薬学博士だの理学博士だのという肩書きをふりかざした感じの常連さんのことが多いように思います。
本の中では商品名を書いていなくても、「お問い合わせ先」などが書いてあってメーカーにつないでいるケースも多いですから、今回の件で逮捕されるのならば、他にも逮捕されるべき人々が一杯いるのではないかという気もします。

ただ、こういう種類の本を出版することが逮捕に至るほどの犯罪であるというのならば、そもそも健康食品というものの存在価値についてもっと突っ込んだ議論がなされても良いのではないでしょうか。サッパリ何の効果もないのならば、それはもはや健康食品とは言えないだろうし、少しでも効果・効能を言ったら逮捕されるというのでは窮屈で仕方ないように思います。もちろん史輝出版のようにウソの体験談を書いて購買心をあおるような行為は許されませんが、全ての健康食品に効果がないというわけでもないでしょう。

医薬品の副作用で病状が悪化した人や、原因不明で病院から見放された患者が健康食品を摂取することで改善した例などは実際には多く存在するようですし、アメリカでは医薬品と同様にサプリメントの摂取も重視されているほどです。“代替医療”という概念が世界的にも進歩しつつある現在、医薬品以外で「効いた」「治った」と言えば薬事法違反で逮捕する、という一方的な姿勢だけでは片手落ちのような気がしてなりません。



  再び「のまネコ」事件 2005/10/07(Fri.) 22:51 

エイベックスが2chのキャラクターを盗用した事件で、社長の松浦さんがネット上で謝罪したとのことですが、謝罪は当然のこととしても、何となくかみ合わない部分があるようにも感じられます。

本日の報道によると、松浦社長は「むしろ2チャンから派生したキャラクターが有名になっていくことに2チャンの方々が喜んでくれるのではとも思っていました。我々の考えが甘かったのかもしれません。そこは素直に謝罪します」と述べたということですが、これはちょっと違うんではないか。

あのキャラクターがヒットしたことについて、もともとお笑いネタの好きな2chの人々は基本的には喜んだだろうし、声援も送ろうとしただろうと私は思います。
ところが、エイベックスは当初、2chのキャラは自分の会社のものとは関係がないという趣旨の発言をしたばかりか、「2chでキャラを使用することを妨げるものではない」などと、一体どちらが本家本元のオリジナルかわからないような非常に傲慢な態度を取っていたわけで、「考えが甘かった」とか、そういう問題とは性質が違うと思いますけどねえ。



  ニュース「見出し」の著作権と引用 2005/10/06(Thu.) 22:58 

いわゆるティッカー形式でインターネット上に表示するニュースの見出しが著作物に相当するかどうかを争う裁判がありました。[Click Here!]

第一審(東京地裁)では著作権を主張する読売新聞の主張が認められず、被告デジタルアライアンスに対する損害賠償請求は棄却されましたが、控訴審では読売新聞の請求が一部認められました。
ただ、それは著作物であることが認められたのではなく、ニュースの見出しといえども新聞社が苦労して制作しているものだから、それを勝手にビジネスで使用する行為は不法行為に当たる、というものでした。

しかし、どんなものでしょうか。ああいう「一行ニュース」みたいな見出しは、読売でも朝日でも毎日でもほとんど同じような表現になることが多いんじゃないかなあ。。。例えば「原辰徳、巨人新監督に就任」とか、大体同じような表現になるんじゃないかなあ。どうなんだろう。
また、その表示をクリックすればちゃんと読売新聞のサイトに飛ぶようになっているとすれば、読売新聞にだって大いにメリットがあるというものでしょう。高裁の判決文を書いた人(塚原朋一裁判長)はそういう事情についても考慮したのだろうか。


そもそも新聞記事というものは引用されるのが宿命であり、別の言い方をすれば多く引用されるほど新聞の評価は高いともいえます。その新聞社がニュースの小見出しにまで「著作物だから引用するな」と言って引用されることを嫌がり始めたら、かえって別な面のマイナスが大きいような気もします。
この裁判は、私個人としては東京地裁の判決(第一審)のほうが時代に即した妥当な判断のようにも見えるのですが。。。



  「殺害するつもりがないのに」 2005/10/06(Thu.) 11:51 

「闇サイト」で不倫相手の妻の殺害を請け負った業者(自称探偵)が逮捕されたということですが、報道によると警視庁捜査1課は「殺害するつもりがないのに女から現金をだまし取ったとして」詐欺の容疑で逮捕したという(毎日新聞10月5日23時23分更新)。

確かに詐欺罪を立件しようとしたら、「殺害するつもりがなかった」という事実を認定するしかないのだと思いますが、これではまるで実際に殺害しなかった契約不履行が問題だと言っているようで、かなりの違和感を感じます。まさか「お金を受け取ったのに、なぜ殺してあげなかったのか」と責める人もいないでしょう。

問題の本質は、容疑者が殺害するつもりで営業していたかどうかということではなく、そもそも殺人を代行するような営業を行なったこと自体が言語道断の違法行為なのであって、その時点で殺人幇助などの容疑があると言わねばならないと私は考えます。



  「のまネコ」事件 2005/10/05(Wed.) 15:17 

2chの中で誕生したキャラクターからヒントを得て(要するに真似をして)、エイベックスが「のまネコ」のFlashムービーを商売に使って盛んに儲けていた件で、先日エイベックスがFlashムービーのCD収録を中止、さらに商標登録についても断念したということでした。

まあ、それ自体は妥当なご判断だろうと思います。2chで書き込みをしている人々からすると、「ここから誕生したキャラクターが、どうして勝手に盗まれて商売に利用されるのだろうか」という不満があっても当然のことでしょうから、むしろエイベックスは2chに対して謝罪(または利益の一部を還元)してもいいぐらいの案件ではないかと思います。

ところが、エイベックスは2chの中で“殺人予告”“放火予告”の投稿がなされたことを非難して警察に被害届を出し、「自分のほうが被害者である」という印象を強く出すことに成功しているようです。この点ではマスコミも、エイベックス側に立った報道をしていました。

ここで、よくよく考える必要があります。たしかに匿名掲示板などで「殺してやる」などの投稿がなされることは違法なことであり、厳重に取り締まらねばならない人権侵害問題であることは言うまでもありません。
しかしながら、そのことはただちに2ch全体が悪いということを意味するわけではありません。2chとしては掲示板に違法な投稿があれば、しかるべく善良に管理(削除など)する義務があるということ、また捜査機関などから依頼があれば投稿者の個人情報について明らかにする義務があるということであって、個々の投稿に2ch全体が責任を負うという話ではありません。ましてや、2chは悪質な集団なのだから、そんな場所で生じたキャラクターを勝手に盗作しても全然構わないんだ、というようなことにもならないでしょう。

それが、世間一般であたかも「エイベックス対2ch」で対等にやり合っている問題であるかのような印象が出ているとすれば、どうも私はエイベックス側がうまくやりすぎているような気がしてなりません。企業が大きくなればなるほど、もっとネット上の著作権侵害問題などについて真剣に考えていただきたいものだと思います。




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