史輝出版が発行した本で、メーカーとタイアップして健康食品アガリクスの効能を宣伝したということで出版社役員、ゴーストライター、監修者(東海大名誉教授、医学博士)らが摘発されました。
問題の本は「即効性アガリクスで末期ガン消滅!」「徹底検証!末期ガンに一番効くアガリクスは何か」などですが、大きな書店に行けばこういう種類の本は他にも一杯、い〜〜〜〜っぱいあふれています。「メシマコブでガンが治る」「水溶性キトサンでガンが治る」「霊芝でガンが治る」「βグルカンでガンが治る」「SOD様食品でガンが治る」「微量元素でガンが治る」というような調子で、あげればキリがありません。
しかも、内容はゴーストライターが書いた作文である可能性もあり、権威付けのために名前を貸している監修者も、たいていは医学博士だの薬学博士だの理学博士だのという肩書きをふりかざした感じの常連さんのことが多いように思います。 本の中では商品名を書いていなくても、「お問い合わせ先」などが書いてあってメーカーにつないでいるケースも多いですから、今回の件で逮捕されるのならば、他にも逮捕されるべき人々が一杯いるのではないかという気もします。
ただ、こういう種類の本を出版することが逮捕に至るほどの犯罪であるというのならば、そもそも健康食品というものの存在価値についてもっと突っ込んだ議論がなされても良いのではないでしょうか。サッパリ何の効果もないのならば、それはもはや健康食品とは言えないだろうし、少しでも効果・効能を言ったら逮捕されるというのでは窮屈で仕方ないように思います。もちろん史輝出版のようにウソの体験談を書いて購買心をあおるような行為は許されませんが、全ての健康食品に効果がないというわけでもないでしょう。
医薬品の副作用で病状が悪化した人や、原因不明で病院から見放された患者が健康食品を摂取することで改善した例などは実際には多く存在するようですし、アメリカでは医薬品と同様にサプリメントの摂取も重視されているほどです。“代替医療”という概念が世界的にも進歩しつつある現在、医薬品以外で「効いた」「治った」と言えば薬事法違反で逮捕する、という一方的な姿勢だけでは片手落ちのような気がしてなりません。 |