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20105

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江本武忠
(えもと・むちゅう)

(2005/10/08(Sat.) 12:49 〜 2005/05/10(Tue.) 23:43)

  健康食品の「バイブル本」 2005/10/08(Sat.) 12:49 

史輝出版が発行した本で、メーカーとタイアップして健康食品アガリクスの効能を宣伝したということで出版社役員、ゴーストライター、監修者(東海大名誉教授、医学博士)らが摘発されました。

問題の本は「即効性アガリクスで末期ガン消滅!」「徹底検証!末期ガンに一番効くアガリクスは何か」などですが、大きな書店に行けばこういう種類の本は他にも一杯、い〜〜〜〜っぱいあふれています。「メシマコブでガンが治る」「水溶性キトサンでガンが治る」「霊芝でガンが治る」「βグルカンでガンが治る」「SOD様食品でガンが治る」「微量元素でガンが治る」というような調子で、あげればキリがありません。

しかも、内容はゴーストライターが書いた作文である可能性もあり、権威付けのために名前を貸している監修者も、たいていは医学博士だの薬学博士だの理学博士だのという肩書きをふりかざした感じの常連さんのことが多いように思います。
本の中では商品名を書いていなくても、「お問い合わせ先」などが書いてあってメーカーにつないでいるケースも多いですから、今回の件で逮捕されるのならば、他にも逮捕されるべき人々が一杯いるのではないかという気もします。

ただ、こういう種類の本を出版することが逮捕に至るほどの犯罪であるというのならば、そもそも健康食品というものの存在価値についてもっと突っ込んだ議論がなされても良いのではないでしょうか。サッパリ何の効果もないのならば、それはもはや健康食品とは言えないだろうし、少しでも効果・効能を言ったら逮捕されるというのでは窮屈で仕方ないように思います。もちろん史輝出版のようにウソの体験談を書いて購買心をあおるような行為は許されませんが、全ての健康食品に効果がないというわけでもないでしょう。

医薬品の副作用で病状が悪化した人や、原因不明で病院から見放された患者が健康食品を摂取することで改善した例などは実際には多く存在するようですし、アメリカでは医薬品と同様にサプリメントの摂取も重視されているほどです。“代替医療”という概念が世界的にも進歩しつつある現在、医薬品以外で「効いた」「治った」と言えば薬事法違反で逮捕する、という一方的な姿勢だけでは片手落ちのような気がしてなりません。



  再び「のまネコ」事件 2005/10/07(Fri.) 22:51 

エイベックスが2chのキャラクターを盗用した事件で、社長の松浦さんがネット上で謝罪したとのことですが、謝罪は当然のこととしても、何となくかみ合わない部分があるようにも感じられます。

本日の報道によると、松浦社長は「むしろ2チャンから派生したキャラクターが有名になっていくことに2チャンの方々が喜んでくれるのではとも思っていました。我々の考えが甘かったのかもしれません。そこは素直に謝罪します」と述べたということですが、これはちょっと違うんではないか。

あのキャラクターがヒットしたことについて、もともとお笑いネタの好きな2chの人々は基本的には喜んだだろうし、声援も送ろうとしただろうと私は思います。
ところが、エイベックスは当初、2chのキャラは自分の会社のものとは関係がないという趣旨の発言をしたばかりか、「2chでキャラを使用することを妨げるものではない」などと、一体どちらが本家本元のオリジナルかわからないような非常に傲慢な態度を取っていたわけで、「考えが甘かった」とか、そういう問題とは性質が違うと思いますけどねえ。



  ニュース「見出し」の著作権と引用 2005/10/06(Thu.) 22:58 

いわゆるティッカー形式でインターネット上に表示するニュースの見出しが著作物に相当するかどうかを争う裁判がありました。[Click Here!]

第一審(東京地裁)では著作権を主張する読売新聞の主張が認められず、被告デジタルアライアンスに対する損害賠償請求は棄却されましたが、控訴審では読売新聞の請求が一部認められました。
ただ、それは著作物であることが認められたのではなく、ニュースの見出しといえども新聞社が苦労して制作しているものだから、それを勝手にビジネスで使用する行為は不法行為に当たる、というものでした。

しかし、どんなものでしょうか。ああいう「一行ニュース」みたいな見出しは、読売でも朝日でも毎日でもほとんど同じような表現になることが多いんじゃないかなあ。。。例えば「原辰徳、巨人新監督に就任」とか、大体同じような表現になるんじゃないかなあ。どうなんだろう。
また、その表示をクリックすればちゃんと読売新聞のサイトに飛ぶようになっているとすれば、読売新聞にだって大いにメリットがあるというものでしょう。高裁の判決文を書いた人(塚原朋一裁判長)はそういう事情についても考慮したのだろうか。


そもそも新聞記事というものは引用されるのが宿命であり、別の言い方をすれば多く引用されるほど新聞の評価は高いともいえます。その新聞社がニュースの小見出しにまで「著作物だから引用するな」と言って引用されることを嫌がり始めたら、かえって別な面のマイナスが大きいような気もします。
この裁判は、私個人としては東京地裁の判決(第一審)のほうが時代に即した妥当な判断のようにも見えるのですが。。。



  「殺害するつもりがないのに」 2005/10/06(Thu.) 11:51 

「闇サイト」で不倫相手の妻の殺害を請け負った業者(自称探偵)が逮捕されたということですが、報道によると警視庁捜査1課は「殺害するつもりがないのに女から現金をだまし取ったとして」詐欺の容疑で逮捕したという(毎日新聞10月5日23時23分更新)。

確かに詐欺罪を立件しようとしたら、「殺害するつもりがなかった」という事実を認定するしかないのだと思いますが、これではまるで実際に殺害しなかった契約不履行が問題だと言っているようで、かなりの違和感を感じます。まさか「お金を受け取ったのに、なぜ殺してあげなかったのか」と責める人もいないでしょう。

問題の本質は、容疑者が殺害するつもりで営業していたかどうかということではなく、そもそも殺人を代行するような営業を行なったこと自体が言語道断の違法行為なのであって、その時点で殺人幇助などの容疑があると言わねばならないと私は考えます。



  「のまネコ」事件 2005/10/05(Wed.) 15:17 

2chの中で誕生したキャラクターからヒントを得て(要するに真似をして)、エイベックスが「のまネコ」のFlashムービーを商売に使って盛んに儲けていた件で、先日エイベックスがFlashムービーのCD収録を中止、さらに商標登録についても断念したということでした。

まあ、それ自体は妥当なご判断だろうと思います。2chで書き込みをしている人々からすると、「ここから誕生したキャラクターが、どうして勝手に盗まれて商売に利用されるのだろうか」という不満があっても当然のことでしょうから、むしろエイベックスは2chに対して謝罪(または利益の一部を還元)してもいいぐらいの案件ではないかと思います。

ところが、エイベックスは2chの中で“殺人予告”“放火予告”の投稿がなされたことを非難して警察に被害届を出し、「自分のほうが被害者である」という印象を強く出すことに成功しているようです。この点ではマスコミも、エイベックス側に立った報道をしていました。

ここで、よくよく考える必要があります。たしかに匿名掲示板などで「殺してやる」などの投稿がなされることは違法なことであり、厳重に取り締まらねばならない人権侵害問題であることは言うまでもありません。
しかしながら、そのことはただちに2ch全体が悪いということを意味するわけではありません。2chとしては掲示板に違法な投稿があれば、しかるべく善良に管理(削除など)する義務があるということ、また捜査機関などから依頼があれば投稿者の個人情報について明らかにする義務があるということであって、個々の投稿に2ch全体が責任を負うという話ではありません。ましてや、2chは悪質な集団なのだから、そんな場所で生じたキャラクターを勝手に盗作しても全然構わないんだ、というようなことにもならないでしょう。

それが、世間一般であたかも「エイベックス対2ch」で対等にやり合っている問題であるかのような印象が出ているとすれば、どうも私はエイベックス側がうまくやりすぎているような気がしてなりません。企業が大きくなればなるほど、もっとネット上の著作権侵害問題などについて真剣に考えていただきたいものだと思います。



  安定政権の功罪 2005/10/02(Sun.) 18:19 

ふ〜〜〜。選挙後もいろいろあって、なかなか書き込みができませんでした。できれば、今年中にサイトを刷新させたいと考えております。

さて、小泉安定政権が樹立しました。いろいろ特色のある人も登場しました。“思いがけず”国会議員になった人も一人や二人じゃないようですし、自民党が勝ち過ぎたために自民党比例区の未登録枠を利用して社民党の議員が当選するという珍事も起きたようです。それもこれも、自民党の圧勝がなせる業でした。

とにかく、小泉自民党が選挙に大勝したことは誰もが認める事実です。しかし注意すべきは、これまで多くの人は自民党が勝つにせよ社民党が勝にせよ、日本にも「2大政党政治」が確立するのではないかと予想していたと思うのですが、それが完全に裏切られたということです。安定政権が確立したプラス面もあるけど、こちらのマイナス面の大きさは未知数であるだけに不気味な恐ろしさを秘めているとも言えます。

私は小泉さんの目指すものを理解しないわけではないので、絶対安定政権を利用して構造改革を進めること自体には大いに賛成なのですが、それにしても法案の内容や政策を厳しくチェックする機能がどこかで働いていなければ決して健全な政権とは言い難いことも確かです。安定、イコール健全ということではないでしょう。

実際のところ、自民党が勝ったのは不況にあえぐ国民の不安な気持ちが「改革」という言葉に短絡的に反応しただけのことかもしれません。今や日本は「5人に一人が65歳以上」という高齢国家になりました。中高年を主とする自殺者は年間3万人、これは「15分に一人が自殺している」という現状を意味しています。
ソニーは1万人の人員削減、サンヨーは1万4000人の人員削減をすると発表しました。来年は多数の失業者が出るだろうし、いわゆる団塊世代の定年ラッシュと重なるので無職層が巨大化します。「ニート」と言われる、社会から浮いてしまった人々の層も厚くなるでしょう。

国が言うには、「景気は踊り場を脱した」ということですが、そんな「景気のいい話」をどれぐらいの国民が実感しているでしょうか。政権の安定と国民生活の安定は全く別物です。小泉さんの言う構造改革が、国民生活の安定に結びつくものであることを期待する以外にありません。



  自民党「仁義なき内ゲバ選挙」と国民の姿勢 2005/08/13(Sat.) 01:48 

「自民党をぶっ壊す!」と言った小泉首相の公約の通り、今や自民党は内ゲバ状態であり、郵政民営化法案に反対した者に対して「刺客」(有力対抗馬)放って容赦なく皆殺しにする抵抗勢力一掃戦略が開始されました。
この戦乱が始まった以上、選挙に臨む国民としては否応なく何らかの判断を下さねばならない状況に置かれたわけです。一体、現時点でどのように考えるべきなのでしょうか。

例えば東京10区の小林興起さんに対しては、小池百合子環境大臣を刺客として当てました。小池さんは有名人ですが、小林さんは地元票を多く持っています。ですから、この二人が対決した場合「共倒れ」になる可能性が非常に高いと言わねばなりません。それを承知の上で小泉さんは刺客を導入しているということは、明らかに「共倒れしてもいいから、とにかく造反者を抹殺せよ」という、いわば自爆テロ的な戦略である、ということが出来るでしょう。

ところで、この選挙は郵政民営化に反対か賛成か、ということを問う選挙であると言われるのですが、よくよく個々の候補者の声を聞けば、法案に反対した小林興起さんは「郵政民営化に反対しているわけじゃない。あんな法案では出来ない、といって反対した」ということを明言していますので、法案には反対しても「郵政民営化」そのものには明らかに賛成していることが分かります。

確かに、あの法案は名前は「郵政民営化法案」になっていますが、実質内容は竹中平蔵博士という大学の先生が机の上でこね回わしたような現実味に乏しいもので、穴だらけの法案であるという評価が高いのです。
別の言い方をすれば、そういう「骨抜き法案」だからこそ安心して賛成したという不真面目な議員も存在したはずであって、賛成した議員と反対した議員のどちらが真剣に郵政民営化を考えていたか、表面だけでは判断できないという面があることを国民はよくよく見抜かなければいけません。


しかし、現実の選挙は非情にも小泉さんの造反勢力一掃、全員焼き討ち作戦が展開しており、そのためにあらゆる手段を講じる勢いです。
反対者は党の公認をもらえず、新党を結成できない場合は無所属で出るしかありませんし、いまさら「私は法案には反対したが、郵政民営化には賛成なんだ」というようなややこしい主張が通る雰囲気でもなくなってきました。それはマスコミにも責任があるかもしれませんが、ともかく状況はもはや戦国時代の様相を呈しています。

さて、ここで考えなければいけないことは、一つの大きな改革が成就するためには、ある程度は理不尽な出来事も生じるのが歴史の常であるということです。永岡洋治議員の自殺なども、そういう犠牲の一つなのでしょう。小林興起さんのように、法案について真剣に考えるがゆえに反対したことで反逆者呼ばわれして、政界から抹殺される危機に直面してしまうという現象も、一つの理不尽でありましょう。

ただ、我々国民は種々の細かい現象にとらわれず、大局的な見地に立って判断しなければなりません。確かに、郵政民営化法案は骨抜きの性格も強く、地方の郵便局の確保についてもきわめて不明瞭な欠陥法案ですから、多くの人が反対している理由もよく分かります。
しかしながら、国家の政権をかけた大きな選挙が始まった今となっては、各地の郵便局がどうなるかという細かい法整備についてはあとから修正案を検討しうるものと仮定して、ともかく大筋で郵政を民営化することが今の日本にとって有益であるかどうか、というテーマに対する判断が国民一人一人に問いかけられているという事実は否定すべくもありません。

もしもそうだとすれば、たとえ個々の細かい場面においては理不尽な、あるいは非道な「仁義なき闘い」「内ゲバ」とも言える現象が見られるとしても、大筋では小泉さんが議員バッジをかけて問いかけた郵政民営化の問題に対して、国民はいずれを選ぶのか明確な意思表示をする義務を伴う選挙である、というべきではないでしょうか。


仮に小泉自民党と公明党が過半数をとれずに敗北した場合、小泉さんは「自民党を傲慢にも私物化し、善良な議員を自殺に追いやり、自民党員同志を分裂させたばかりか党本部と地元県連の関係を傷つけ、首相としてなすべき多くの重要課題を放棄して解散した無責任で非道な政治家」という評価で終わってしまうかもしれません。

しかし、もしも小泉さんの計画通り再び政権を取ることができたらどうでしょうか。どのような評価になるでしょうか。小泉さんは政治家としての生命をかけて自民党の体質を根本から改善したばかりか、郵政民営化によって悪しき官僚天国・役人天国を解体し、国民の資金を本来あるべき国民の手に還元して、あらゆる改革の突破口を開くことに成功した偉大な政治家、という評価が与えられる可能性も大きいと言わねばなりません。

そういう意味で、良い政治家を作るのも作らないのも、ひとえに国民の判断にかかっている、という側面があるということを、今回の選挙を通じて我々国民は深く考える必要があるのかもしれません。



  「殿ご乱心」解散に思う 2005/08/08(Mon.) 23:57 

小泉さん以外、誰一人として望まなかった衆議院の解散が決行されました。これにより、郵政民営化法案はおろか、組織犯罪処罰法の改正案や少年法改正案などの重要法案もみな廃案になり、数百億円の税金が消費されるという総選挙に突入したわけです。

小泉首相は「郵政民営化に賛成か反対か、民意を問う選挙」という位置づけをなさったけれども、ハッキリ言ってそれはおかしい。もともと世論は郵政民営化に概ね賛成であり、(野党はともかくとして)反対した自民党議員たちの大半も民営化の趣旨そのものには賛成しているのであって、あくまでも参議院で否決されてしまった理由は法案内容の修正をめぐるものだったからです。思うに、小泉さんが現場の意見をもっと謙虚に聞き入れて、明らかな不備について修正する姿勢を示せば法案は参議院を楽に通過したんじゃないかと考えられます。

また、再度小泉さんが首相になって同じ法案を提起したとしても、参議院は今と全く同じメンバーですから、衆議院は通過出来ても参議院では当然否決されて、今回と同じことの繰り返しになります。結局、小泉さんは反対意見に謙虚に耳を傾けて法案の不備を修正するしかない、ということに気づくまでは堂々巡りになるということを意味しているのです。

しかし、ともかく解散した以上、次の体制に焦点が移りました。反対した自民党議員たちは党の公認を受けられないので新党を結成する動きになるでしょう。また、小泉さんは少しでも自分の考えに従わない人をバッサバッサ斬り捨てて「少数精鋭主義」に徹する感じで、自民党も以前の自民党ではなく「新生自民党」あるいは「小泉党」のようなものになるでしょうから、いずれにせよ新党結成みたいなものです。

注目は民主党の動きですが、「いよいよ政権奪取のチャンス到来」と言っているわりには、今のところ何となくサエナイ。。。岡田さ〜〜ん。小沢さ〜〜ん。
民主党にも良い議員は一杯いるのですが、どうも一体化していないのが気になります。本当に政権を取る気持ちと具体的な政策があるのかどうか、ここは大きな見所になると思います。



  国家体制の解体を急ぐ小泉さんの手法について 2005/08/06(Sat.) 12:11 

小泉さんは「自民党」の政治家です。しかし、今の小泉さんはむしろ自民党解体の方向を目指しているように私には思われます。9年前に出た小泉さんの「官僚王国解体論」(光文社、1996年刊)を読み返してみると、郵政民営化についての持論も展開されているのですが、巻末には「郵政三事業の民営化、それは官僚王国日本の現体制を一度すべて解体し、出直すことにほかならないのだ」という一文で締めくくられています。

要するに、小泉さんは官僚中心の現体制を全部解体してしまわなければ日本の将来はないのだ、という考えで突き進んできたわけです。むろん、官僚主義の弊害については私もよく知っていますし、国民の税金などが天下り官僚に流れていたことなど周知の事実ですから、そういう意味ではもっともな見解であるとも言えるでしょう。

しかしながら、そういう悪しき官僚体制の弊害問題については「何でも民営化すれば解決する」ということでもありません。確かに、郵政事業について民営化すればメリットがある部分はよく分かるし、大きな方向性としては国民の賛同を得られるとは思うのですが、個々の郵便局の仕事についてまで、何が何でも民間でやらなきゃいけないという理由が私にはさっぱり分かりません。

例えば、郵便局の仕事が民営化されれば当然利潤を追求するようになるわけですから、無駄なことや採算の合わないことは廃止されます。50円のハガキをどしゃぶりの雨の日でもカンカン照りの日でも山奥まで届ける、などという効率の悪いことは絶対しなくなるでしょう。小泉さんは「民間で出来ることは民間で」と言われるのですが、郵便局の仕事などはむしろ「民間では出来ない」仕事の代表のようにも感じられます。

また、郵便局を民営化すれば労使関係のトラブルが予想されるし、労働者の当然の権利としてストライキが発生します。すると、年賀状が届かないとか、小包の中のものが腐るなどの問題が生じます。裁判所の訴状や出頭命令が届かないなどの問題も出てきますので、憲法で保障された「正当に裁判を受ける権利」も侵害される可能性が出てきます。いやしくも国家の法案というものは、少なくともそういうマイナスの可能性に対する対策があって初めて通過する、というものでなければなりません。

郵貯の不正使用の問題についても、もちろん郵便貯金が不正に流れることはけしからんことですが、それは不正なことをやっている人物がけしからんという問題であって、民間企業が「国民の預金」に手をつけて勝手に運用したほうがいいという結論には直接結びつかないでしょう。
頭のいい経営陣がそろっている大手の銀行ですら経営に失敗して合併倒産するのですから、郵便事業だけは民間でうまくいくなどという保証はどこにもないのです。

他にもまだまだありますが、そういう多くの問題についてほとんどまともな審議や答弁すらなされていないまま法案可決を強行することは、国民としては相当のリスクを負うものとして抵抗を感じざるを得ないでしょう。
しかも、「解散が嫌なら法案に賛成しろ」という小泉さんの姿勢はかえって参議院の威信を踏みにじるものだと言えます。参議院を「付録」みたいにしか考えていない証拠だとも言われても仕方ないでしょう。また、問題は法案の内容なのであって、解散が嫌だとか好きだとかいう低い次元の問題で国家の法案が左右されるような政治をやられたら、国民としてはたまったもんじゃない。

小泉さんが国家の体制を解体しようと急ぐあまり、一大改革である郵政民営化について議論が中途半端になることは非常に残念なことです。また、せっかく一緒に改革を進めてきた自民党の同志からも国民からも支持が得られなくなることは、むしろ小泉さんの本来の願いとは逆方向になっているのではないだろうか、という気がしてなりません。



  「殺人法案」と独善政治の愚かさ 2005/08/01(Mon.) 20:42 

自民党の永岡洋治・衆議院議員が自殺しました。自殺の原因は不明とされているものの、ご本人が郵政民営化法案に反対している亀井派に所属しながらも武部氏らの猛烈な説得に屈して賛成票を投じてしまった行動をめぐって深く悩み込んでいたことは誰の目にも明らかでしょう。

郵政民営化法案というものは、本当にこれほど急ぐべき法案なのでしょうか。実際は、この法案が最大の政治案件であるなどと本気で思っているのは小泉首相ただ一人であるというのが実状ではないでしょうか。現実には外交問題や失業問題、環境問題など、もっともっと急ぐべき課題はあるはずです。

また、これほどに批判や疑問点の多い郵政民営化法案について急な判断を迫られた場合、永岡議員のように真面目な政治家であればあるほど政治的圧力に対して精神的に追い込まれることは明らかであって、そういう意味でこの法案は「殺人法案」であるとも称することができるでしょう。


元大蔵省財務官の榊原英資さん(慶大教授)は郵政民営化法案について「百害あって一利なし」と言われましたが、それほどでないにしても、疑問だらけの法案を無理やり押し通す小泉首相の個人願望優先の姿勢はどう見ても独善政治であると言わざるを得ません。

法案は可決されても否決されても、多くの議員たちと有権者の間に深い遺恨を残しますし、それ以降自民党がうまく一体化できるとは到底考えられません。もちろん、自民党が崩壊しても小泉さんは痛くもかゆくもないでしょうし、むしろ小泉さんは自民党崩壊を望んでいるのかもしれませんが、緊急課題の多い日本の大切な時期に政局の混乱を招く責任はきわめて重大です。

郵政民営化には、メリットもあるしデメリットもあるでしょう。反対している人々も決して個人的な感情で反対しているのではなく、現場の郵便局業務にたずさわる人や郵便局利用者の民意を懸命に反映しようとしているということは、国会の質疑を見ていてもよく伝わってきます。だからこそ、成立を急ぐのではなく話し合いが大切なのでしょう。

死者を出してまで、何ら急ぐ必要のない個人的道楽のような法案を無理やり押し通す小泉政治の手法には、やはり限界が見えてきたと言うべきなのでありましょうか。



  お金で買える博士号 2005/07/23(Sat.) 15:48 

薬学博士の堀洋八郎氏が代表を務める食品研究所(次世紀ファーム研究所、岐阜県恵那市)で中学1年の女子生徒が変死したということで、医事法・薬事法などの違反がなかったかどうか立ち入り検査がなされたという。

亡くなった方においては大変気の毒なことですが、堀氏が「薬学博士」などの肩書を使って信用させていたとしたら、そういう点にも大いに問題があるのではないかと思います。

聞くところによると、堀氏の博士号はパシフィック・ウェスタン大学で取得したということですが、本人自身の話でも同校に通ったことはなく、50万円で手に入れた博士号だということです。また、その大学はキャンパスや教室はおろか教員もほとんどいないビルの一室だということですから、何かいかがわしいものも感じます。少なくともまともな審査など行なわれていないことだけは確実でしょう。

パシフィック・ウェスタン大学は、法の華の福永法源教祖が「哲学博士」を購入しているのをはじめ、いろいろな人が信用を高めるために取得しているらしいのですが、いずれにせよ、ろくに審査もせずにお金と交換で博士号を出す大学がまともであると判断するほうが無理だと言うべきでしょう。

私はパシフィック・ウェスタン大学については週刊文春などに出ていた広告の内容を見て、以前から怪しいものを感じていましたが[Click Here!]、こういう痛ましい事件を一つの契機にして、この種の「学位」が正式な大学の審査を経て授与された博士号とは全く別のものである(何の学術的な根拠もない)という認識をもっと明確にする必要があると思いました。場合によっては、表示の名称を変えるよう義務づけてもよいのではないでしょうか。

以前、ある会社の社長と名刺交換をした際に、その方の名刺の肩書に「政治学博士」と印刷されていたので、「学術論文なども書いておられる方だったのか」と思ったのですが、あとでそれがパシフィック・ウェスタン大学から買ったものであることを知り、何だか失望してしまった経験があります。
こういう博士号は自慢すればするほど信用を失うものである、と心得るべきでしょう。



  「ホームオブハート」不起訴 2005/07/05(Tue.) 00:51 

以前ちょっと話題にしたことのある「ホームオブハート」の幼児虐待事件で、宇都宮地検は監禁や児童福祉法違反などの全てについて嫌疑不十分ということで不起訴処分にしたようですね。

この事件は多くの宗教団体を敵に回わしている左翼弁護士の紀藤正樹氏がいつもの手口で訴えたものですが、ホームオブハートの場合はその紀藤弁護士の手口をよく知っている元仲間の伊藤芳朗氏が弁護士だったことが紀藤氏にとっては「想定外」のことだったかもしれません。

伊藤芳朗弁護士はToshiさんのサイトで、紀藤弁護士の言う事実はほとんど「虚偽・誇張・歪曲されたものであるとの確証を得ました」と述べています。[Click Here!]
つまり、実際には事実ではないことを事実であるかのように盛んに煽りたてて問題にしようとしている、ということでしょう。

紀藤弁護士と伊藤弁護士は仲間同士でしたが、本件によって事実を曲げる左翼弁護士の手口というものはいつまでも長くは続かないものだ、ということが証明されたと言うべきではないでしょうか。



  ご無沙汰。。。 2005/06/28(Tue.) 01:30 

いや〜〜〜。。。
ちょっと、ある仕事を本格的にやり始めたら、ネット上の作業がお留守になりまして、ここの日記を書く時間も取りにくい状態が続きました。

なかなか、多方面に同時に力を入れるマルチ型の人間にはなれませんねえ。

まだちょっと多忙な状態が続きますが、何とかこの日記は続けていきたいと思っておりますです。ふぅ〜〜〜。



  「パチンコ王」マルハン会長の健全さ 2005/05/19(Thu.) 19:57 

昨日、テレビ朝日で「パチンコ王」の韓昌祐会長がインタビューを受けておられましたが、その考え方の健全さに深い感銘を受けました。韓会長は1931年慶尚南道生まれの74歳。いわゆる「在日韓国人一世」として15歳(1945年)の時に来日して以来、いろいろな差別を受ける中で「マルハン」を創業し、なんと年商1兆円を超える企業に育てあげた方です。[Click Here!]

韓会長は事業だけでなく、さまざまな社会貢献もしておられるので、日本からも韓国からも勲章(韓国勲1等無窮花章、日本は勲3等瑞宝章)を受けておられます。また、「韓昌祐」の本名で日本国籍を取得されました。

私が韓会長のお考えの中で特に感銘を受けたのは、次のような点です。
1.在日は日本国籍を持って権利を主張すべきだ。
2.民族と国籍は別次元のもので、日本国籍を嫌う考えは間違いだ。
3.韓民族は世界で一番立ち後れた民族である。
4.親北政策の盧武鉉政権の考えはとんでもない間違いだ。
5.儲かったお金の一部は社会活動に寄付すべきだ。


国籍については確かにアメリカなどは良い例で、いろいろな民族がアメリカ国籍を取得しながら同時に堂々と自分自身の民族を誇っています。韓会長は、そういう国際レベルからみて韓国民族は最も意識が遅れている、と言いたいわけです。ちなみに韓会長の奥様は日本人で、両方の親戚が結婚に猛反対したそうです。
そういう意味では、韓会長は従来の韓国人の既成概念を超えた立場で日韓交流の壁を乗り越えて来られた人物であると言えるのでしょう。

また、会長の息子さんは甲子園に出場したことがあるらしいのですが、その時に堂々と本名の韓国名で出たことが話題になったそうです。それはもちろん父親の考えに従ったものだと思われますが、そういう民族の誇りや自覚を失わない姿勢は、私たち日本人にとっても大変勉強になるものだと思います。

ともかく、私は在日一世の方でこれほどしっかりした哲学を持って事業をしている方が存在していたことに大変驚きました。また、こういう立派な考えの方がおられるからこそ、7割以上が在日経営ともいわれるパチンコ業界が不況の嵐の中でも簡単に崩れることがなかったのだなあと、感心させられた次第です。

今朝の新聞では盧武鉉政権の支持率が急落していることが書かれていましたが、反日一点張りで点数を稼ぐことには限界があるでしょう。韓昌祐会長の言われる韓国の「立ち後れ」を克服し、もっともっと国際性のある国家を目指すような政権が韓国に樹立されることを私は望みたいと思います。



  ジェンダーフリーを危険思想と見極めた自民党 2005/05/10(Tue.) 23:43 

自民党は、過激な性教育を進めるジェンダーフリー(性差否定)教育について、「子供を壊す、家庭を壊す、社会を壊す危険なもの」と判断し、ジェンダーフリー思想に対する警告を発しています。
[Click Here!]

これは、当然といえば当然のことなのですが、左傾化する教育現場をずっと放任してきたこと自体が大きな問題だったわけで、そういう意味で、自民党の見解表明には画期的な意義があると評価するべきでしょう。

4月3日午前7時半のフジテレビの番組で、過激な性教育やジェンダーフリー思想についての討論があった時、ジェンダーフリーなどを推進している人々の正体は「左翼崩れの連中」であると石原慎太郎さんが指摘され、同席していた八木秀次さん(「新しい歴史教科書をつくる会」会長、高崎経大助教授)も、その考えに同意しておられました。

石原さんや八木さんの見解は全く正しいものだと私は思います。左翼的、唯物的な考えの延長線上にジェンダーフリーの思想があり、それは家庭崩壊、国家崩壊につながる危険思想であると言うべきです。

周辺諸国への対応が忙しい今日ですが、日本人は憲法論議も含めてもっともっと自国の足元を見つめる必要があると思います。




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