インド洋における巨大津波によって、犠牲者が2万4000人とも3万人を超えるとも言われており、実際には具体的な被害状況が正確に把握できていないぐらいの大災害となりました。テレビでの映像を見る限り、その悲惨な被害状況に対して全く言葉を失ってしまいます。
戦争に巻き込まれたのでもなく、人為的な爆発があったわけでもなく、瞬時にして数万人の生命を奪ってしまった巨大津波という自然の力。。。自然環境が破壊され、バランスを失った地球においては今後もますますこの種の災害を予想しなければなりません。
もともと地震国である日本は、世界にさきがけて地震・津波の研究が進みましたが、日本語の「津波」がそのままtsunamiという英語になっているほどである、という事実を私は今まで知りませんでした。 今回注目すべきことは、インド洋にあるモルディブ共和国という小さな島国が、津波の直撃に対して人口が集中する首都マレでさえ犠牲者が出ずに無事だったということです。その理由について現地の人々は、日本が援助して13年間かけて作られた防波壁のおかげであったということを異口同音に述べています。また、同国の海岸通りにある消波ブロックには、「日本とモルディブの友好のため日本政府が提供した支援で作られた」と書かれた記念碑が海に向かって建っているとのことです。
私は、今回のモルディブに見られるような支援を果たすことこそ、海洋国家日本の真骨頂だと思いました。また、犠牲者を多く出した大惨事の中にあって、かろうじて日本人として誇りに思うことのできる内容だと思いました。 日本という国家は世界の国々を災害から守る科学・技術を十分に持っている国です。イラクにおいても、自衛隊の努力によってイラク国家の技術ではとても実現できなかった巨大で高性能の大量浄水装置を実現しています。これで現地の人々がどれほど助かっているか測り知れません。
日本が、他国において平和で文化的な国家を作るための支援をすることにより、古来から平和を志向してきた国家であり民族であるということを世界中の人々に知ってもらうことが最も重要な「平和活動」であると思います。 「攻撃は最大の防御」という言葉があります。これからは武器による攻撃ではなく、平和支援活動という積極的な“攻撃”をすることこそ自国を安全に守るの最大の“防御”になる、という考えが大切になるのではないでしょうか。
もしも日本が、世界中から、特にアジア・アフリカ諸国から「私の国でも津波対策をやってほしい」、「私の国でも浄水装置の作り方を教えてほしい」と言われるようになれば、日本は決して滅びることのない国家になるでしょう。日本が滅びれば自分の国が困ってしまう、という考えを多くの人々が持つようになるからです。 |