人質3名の救出費用に関連して、外務省は人質家族らに対して237万円の渡航費などを請求しました。確かに、事件があろうがなかろうが、彼らは鳥ではないのでお金を出して飛行機で帰るでしょうから、それを国が税金でサービスする理由もないわけです。
ただ、これが「危険な所に自ら行って迷惑をかけたのだから責任を取れ」という自己責任論と重なって非常に議論がやかましくなっています。自民党の柏村武昭議員などは人質たちを「反日的分子」と呼び、そんな者に血税を使うことには強烈な不快感を感じると発言して問題になっています。発言の真意はともかく、そこまで言い切るのならばむしろ「自作自演説」に触れたほうが分かりやすかったかもしれませんが。
この自己責任論、海外では非常に評判が悪いわけですが、どうも彼らがまるで「勇敢に戦った英雄」であるかのように誤解されているようです。今回のイラク人質事件はそういう武勇談とかショーではなく、一連のイラク紛争の中で起きたアクシデントとしてとらえなければなりません。 少なくとも今回の紛争でイラクの民間人を大量虐殺したアメリカが、イラクと日本の友好関係において救出された人質について日本が「英雄視しない」と言って非難することには、何か不思議な差別的人権感覚というか違和感を感じざるを得ません。 |