強制改宗を目的に精神病院に入院させられた統一教会員が、宇都宮地裁の人身保護請求裁判により即時釈放された
統一教会会員S子(武庫川女子大卒、兵庫県川西市立○○小学校教員、当時25歳)の両親は、本間てる子(原理被害者父母の会会長)らの説得により1981年8月21日栃木県内の精神病院にS子を入院させた。同年8月26日には入院中のS子に対して反統一教会の神学者浅見定雄(東北学院大助教授=当時)が病院を訪問して脱会説得に当たっていたが、これを人権侵害であるとして人身保護請求裁判を起こしたところ病院側が全面的に請求を認め、即座にS子を解放するという和解が成立した。

S子の監禁事件の場合、強制入院される前にあらかじめ「私がもしも消息を絶ったら、それは自分の意志ではないから救済(人身保護請求)の手続をとってほしい」ということをS子が統一教会に伝えていたことと、万一の時に備えてS子が自分の下着(胸)にコインを貼り付けておき、拉致される際にスキをみてそのコインを使って教会に電話で連絡を取ることができたため、比較的すみやかに人身保護請求の手続を取ることができたケースである。
通常は、本人が拉致されてから居場所を探し当てるまでに相当の期間がかかるため、反統一教会の学者・牧師・弁護士等の執拗な説得や病院の強制的な注射・薬物投与などで心身に異常をきたしてしまい、信仰を守りきれなくなる場合が多くみられる。
昭和56年(人)第1号人身保護請求事件
請求者 ○○ ○
請求者代理人 
        弁護士 上 野 忠 義
        弁護士 川口光太郎
        弁護士 堀 川 文 孝
被拘束者 S子
拘束者 医療法人○○会○○病院院長○○○○

昭和56年10月26日


1.
(以下、「請求の原因」部分から引用)

被拘束者Sは、昭和56年8月20日兵庫県川西市内において、父○○○○・母○○○○らによって乗用自動車に乗せられ同日深夜から翌日早朝にかけて、栃木県○○市○○町○○番地所在の○○○○病院に連行され、その事情を知っていた拘束者である同病院院長○○○○によって強制的に入院させられ、引続き同病院内に拘束されている。
2. 被拘束者は、昭和31年○月○○日父○○○○・母○○○○の長女として岡山県○○市に生まれ、昭和47年12月30日世界基督教統一神霊協会(略称・統一教会)に入教し、昭和49年3月岡山県○○○高校を、同53年3月武庫川女子大学文学部を卒業し、昭和53年4月から現在まで兵庫県川西市立○○小学校に教員として勤務するかたわら、信仰を固く守っているものである。
3. 最近統一教会員が、両親らによって棄教を強いられ、これに応じないときは精神病院に監禁されるという事件が、全国的に発生している。
4. 請求者は統一教会の信者として、会員である被拘束者の人権を守るため本請求に及ぶ次第である。

(上に書いたとおり、本件は即時和解が成立した)

事件の表示 昭和56年(人)第1号
期日 昭和56年10月26日午前10時0分
場所 宇都宮地方裁判所 足利支部
裁判長裁判官 多賀谷雄一
    裁判官 杉本孝子
    裁判官 小林 宗
裁判所書記官 大島光雄