「歴史にみるマルクス主義」(郷土大学叢書6)
東大名誉教授
中屋健一
全国教授勝共講師団 発行
1987年10月7日

中屋健一(なかや・けんいち)
1910年福岡県に生まれる。1933年東大文学部西洋史学科卒。同盟通信〈現共同通信)記者として活躍後、東大教養学部教授、成蹊大教授、成蹊中・高校長等歴任。アメリカ史研究の草分け。東大名誉教授。日本ペンクラブ副会長、日本山岳会副会長等も努めた。著書に高校世界史教科書をはじめ、「米国史概説」「アメリカ社会の発達」「アメリカ西部開拓史」「二つの大戦」等多数あり。1987年逝去。
編集部の「まえがき」より

科学的社会主義と名乗ることによって、空想的社会主義と区別し、その絶対的真理性を強調しようとしたマルクス、エンゲルスでした。しかし、科学がその真理性の基礎とする現実との不適合によって、かえって告発されたのがマルクス主義だったのです。
日本におけるアメリカ史研究の第一人者として活躍され、この分野の学問研究を確立された故・中屋健一先生(87年3月死去)が、勝共活動に携わる人々の力にと、歴史家のするどい眼でマルクス主義をとらえ、なによりも現実から、マルクス主義の難点を指摘しつつ執筆して下さいました。そして、この書の執筆が、御存命中の最後のものとなったのです。日本の将来を思う心情を、是非、よみとって下さい。

1987年9月30日
郷土大学叢書編集部