●ヤコブと「イスラエル」
ヤコブはイスラエル民族の出発の原点となる人物です。ある夜、ヤコブは一人の天使
と格闘したのですが、天使の一撃でヤコブは股関節を脱臼するという負傷を受けた。それでもヤコブ は天使にしがみついて朝まで離さなかったので、夜が明けると天に帰らなきゃいけない天使は、ヤコブに対して「あなたの勝利を認めるから、もう離してくれ」と言って敗北を宣言しました。
その時、「これからはヤコブじゃなくって、イスラエルと名乗りなさい」と言われたのです。
でも、ヤコブが歴史上注目されるのもやっぱり「親の七光」というか、父親のイサクとかおじいちゃんのアブラハムが乗り越えた、涙なしでは語れない信仰(アブラハムが
息子イサクを神様に捧げるという話)があったがゆえなのです。というわけで、普通に 「イスラエルの先祖」と言えば、やはり何といってもヤコブの曾祖父アブラハムということになっています。
ついでに言っておくと、アブラハムはユダヤ教徒からも、キリスト教徒からも、また イスラム教徒からも尊敬されている「信仰の父」であります。世界中の宗教の名誉会長
みたいな存在ですね。
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