近代文明  

 

 当時のローマ・カトリック教会の道徳が乱れていたことも確かに困ったことだけれど、もっと困ったことがあった。それは、世界中で科学・技術の進歩がなされてきているのにカトリックの教義にしばられてしまうために科学者が自分の学説を自由に発表できないという深刻な事情があったことなのだ。
 たとえば、当時は地球が太陽のまわりを回っているなどと言ったら「カトリックの教義に反する」ということで、もう裁判沙汰だったのです。ガリレオなども裁判で苦労したけれど裁判所から出た時、「それでも地球は回る」と言ったという話は有名ですね。

 でもルターの努力もあって、この時代には一挙に科学・技術・芸術・文芸などの進歩が世界中で見られたのです。ちょうど「第2のアダム」(イエス)を世界的に迎えて文明の統一をするために釈迦、孔子、ソクラテス、・・・といった偉人聖人が世界的規模で輩出したように、この時代には著名な科学者、宗教家、芸術家が急激に登場した。ルネサンス、産業革命、三大発明(羅針盤、印刷術、火薬)などの文化的革命が起こりました。
ここで注目すべきは、三大発明は中国において生じたとも言われており、また当時はインドでもムガル帝国という300年以上も続いた王国が樹立され、アクバル大帝によるインド統一がなされたのです。ですから、この時代は西洋文明が中心ではなく、まさに地球規模の一大文明復興が起きたのでした。
 電気を使う、電話をかける、ラジオを聴く、テレビを見る、自動車に乗る、電車に乗る、飛行機が飛ぶ、などという今日では日常生活に密着した文化的生活も、全てはこのわずか数百年の中で一挙に実現してしまったことなのです。

 現在は、IT技術の分野で天才的人物が多く輩出することによって超高速・超大容量の情報処理が可能となり、その文明の発展は頂点に達しつつあるとも言えます。将来は日本と韓国をつなぐ「日韓トンネル」、そして世界中を高速道路で結ぶ「国際ハイウェイ」なども必ず実現されるでしょう。
 このように文明が急激に発展する原因は、再臨主の説かれる真理(統一原理)を全世界に一挙に普及させ、イエスによる「霊的救い」を補完する「霊肉の救い」、すなわち「真の父母」(再臨主)による原罪清算の祝福(合同結婚式)を全人類にもたらすという、神の摂理的事情が歴史的背景にあるからなのです。まさに現代は、イエスが「まだ語っていないことがある」と言われた真理の全て、救いの全てが成就する時なのです。やがて、今世紀末にはインターネットなどを通して全人類が真理を知ることとなるでしょう。その時、低俗なマスコミ関係者や共産主義者たちによって捏造された「偽りの情報」が取り去られ、再臨主が歩まれた真実の路程の中に真の愛を発見して本心が打ち震えるような喜びを体験するでしょう。