教区長の時代  

 

 ユダヤ教の「士師の時代」と同時性をなしているのが、キリスト教における教区長の時代です。イスラエルの士師が国王と祭司長と預言者という役割を兼ね備えながら交代制で統治したのと同様に、キリスト教の歴史においても教区長は国王と法王と修道院長という役割を兼務しつつ交代で統治したのです。
 そして、摂理的にはこの400年の期間において、メシヤが誕生した時に外敵(サタン勢力)からメシヤを守り、更にメシヤを中心として世界文明の統一を果たすことのできるキリスト教統一王国実現を準備していたわけです。いわば、アウグスチヌスが説いた「神の国」の実体化を目ざしていたと言えるのです。