霊人体が消滅する !?


霊人体はどうやって育つか

人間は「水中(胎中)生活」、「地上生活」、「霊界生活」という3段階の生活を通過すると言われています。そして、それぞれに呼吸の仕方や生命を守るボディの装着が異なっています。
胎中生活ではヘソから栄養分を摂取しますが、胎中で十分な栄養を得られずに地上に誕生した場合、地上での生活に支障をきたす場合があるように、地上生活を正しく過ごさないと霊界生活に支障をきたすことがあります。

人間には、地上で生活する期間に使用する肉身とは別に「霊人体」という霊的なボディが備わっていると統一原理は述べています。肉身は主として水や食物を摂取することによって成長するのですが、霊人体はそういう物質的なものでは成長しません。
霊人体は、地上で肉身が善なる行ないをした時に得られる愛の要素によって育つと言われています。だから、地上であまり善行をしてこなかった場合は、死後の霊人体は生育が不十分で、悪行を重ねて地上生活を送った場合などは霊界では大変な所に行ってしまうようです。

胎中での生活は約10か月ほどですが、地上生活は個人差が著しく、平均すれば80年前後でしょうか。そして、霊界生活は永遠とも言われています。永遠といっても、心地よく楽しい生活が永遠に続くのならばいいのですが、地獄の苦しみが永遠に続くこともあるとすれば、どうしても地上で生活している間にそうならないよう準備する必要がありそうです。では、どうすればいいのかというと、それは統一原理を学んでいただくしかないのですが(笑)、ここでは霊人体の性質について考えてみます。

霊人体に消滅はあるか

肉身において栄養分が不足した場合に栄養失調となったり、深刻な場合は死亡してしまうように、霊人体において愛が育たなかった場合にも霊人体に深刻な影響を及ぼすことがあります。では、極端な場合、霊人体の「消滅」ということがありうるのでしょうか。

基本的には霊的存在というものは「消滅」することはないと思います。サタンという最悪の存在でさえ、聖書の記述では「消滅」していません。すなわち、
ヨハネの黙示録はサタンについて「底知れぬ所に投げ込み、入り口を閉じてその上に封印し、千年の期間が終わるまで、諸国民を惑わすことがないようにしておいた」(黙示20:3)と預言しているのみで、決して消滅したとは書いていません。

ですから、少なくともサタンよりも悪い行ないをしない限り「消滅」ということはないという解釈も成り立ちそうです。では、サタンよりも悪いとされる行為というものはあるのでしょうか。統一原理の理論からすれば、再臨のキリストによってサタンの血統(原罪)から解放された者が再び堕落するという事態が生じた場合、サタンよりも悪い立場に陥るということが考えられます。

ただ、実際に霊人体の「消滅」ということがありうるかどうかは不明です。地上で人間が使用する言葉(表現)には限界がありますので、それを「消滅」と表現せざるを得ないほどに深刻な状況ということはあるのかもしれません。2003.7.14江本武忠