●メッセージは現時点のもの、歴史の隔たりを考慮すべし

よく霊界メッセージについて出される疑問で、例えば「あのアウグスチヌスがこんなことを言うはずはない」というような類のものがあります。そういう疑問を提示する方はきっとアウグスチヌスの著作を読まれた経験があるのでしょう。

しかし、霊界メッセージは「現在」のものです。そして、「アウグスチヌスがこんなこと言うわけない」という時のアウグスチヌスは１６００年前の人物像です。
私たちは、例えば同窓会などで数十年ぶりに会った人を見て「見間違えるほど」変化していることを経験します。ましてや１６００年間経過している間に、アウグスチヌスもいろんな研究を深めたであろうし、原理も学んだでしょう。その人格や言葉づかいなどに変化が生じて当然、というよりも１０００年以上経過しているのに人格が全く変化していないほうが逆に不自然でウソ臭いと言わねばならないと私は思います。

また、イエスキリストが韓国語を理解するわけがないだろう、というようなことを言う人もまれにいます。しかし、そんなことはありません。イエスも２０００年間ボーッとしていたわけでもなく、十字架について動けなかったわけでもなく、あらゆる国々の歴史や事情を見てきたわけです。

霊界メッセージを読む場合は、自分の主観だけで判断せず、そこに大きな時代的乖離があることを十分に考慮する必要があると思います。2003.7.11江本武忠