人 類 史 の 大 真 実 〜ユダヤの王イエスキリスト再臨の真相〜


序  文

 歴史は繰り返すという。皆さんはユダヤ教(イスラエル)の歴史とキリスト教の歴史が、年数においても史実においても恐ろしいほど酷似しているという事実を御存知だろうか。本書はホームページの年表と、それに関連する図表などを中心資料として、皆さんを人類史上最大の謎解きにご案内するものである。

 私は、21世紀の人類の方向性を決定する最後の鍵がここに秘められていると断言する。共産主義は崩壊したが、自由圏においても正しい価値観は確立していない。特に、思想的な統一性をもたない戦後の日本は、もう実質的に国家としての統一的人格を失った危険な状態になっていると考えられる。国家は人間の体と同じで、病魔に侵されていても自覚できない場合がある。今こそ明確な世界観、人生観を確立し、今後の方向性を各自が主体的に自覚するべき時なのである。

 本書で御紹介する見解は、韓国の文鮮明師Rev. Sun Myung Moon 、1920〜)によって発見された「統一原理」という真理体系を土台としている。一般にはあまり知られていないが、実はこの統一原理を知ることによって歴史の背後に厳然と実在する創造主(神)の真実の意図(摂理)に気づかされ、統一原理を人生の根本的指針とされているという方々は世界中に驚くほど多数存在するのである。統一原理を支持する人の年齢や職業は多種多様であるが、強いて言えば知的レベルの高い方々が多いと言えるかもしれない。

たとえば、文鮮明師の平和活動(統一運動)を支援し統一原理を熱心に支持しておられた福田信之博士(元筑波大学総長、故人)は、「科学文明の時代にあっては、今までの宗教では多くの知識人を納得させることは困難です。しかし統一原理は、理論と実証に基づいた科学的アプローチで、神の実在およびその実相を明らかにしようとしているように思います」と述べておられ、著名な物理学者で日本思想にも造詣の深い池田和義博士(大阪大学名誉教授)も、「今世紀に韓国の文鮮明師によって創始された統一思想または統一原理あるいは統一神学と呼ばれる宗教思想は、キリスト教に立脚し聖書を教典としながら、唯一絶対神の性格を東洋思想にも基づいて具現化し、東洋的倫理観をも包摂する教義の体系を構成している。その体系は、日本民族の伝統的信仰に合致するのみならず、近代的合理主義の面から見ても極めて優れたものである」と述べて、統一原理の内容を高く評価しておられる。
また統一原理においては、歴史が繰り返す原因が神の摂理に基づいている場合、それを「摂理的同時性」と呼んでいるが、信州大学名誉教授の両角宗晴博士は統一原理の講義を聴講された時の印象について、「私はその理論の緻密さに引き込まれていった。そして決定的に響いたのは“摂理的同時性”の講義を受けた時であった。歴史の背後で神様は、実に見事に人類を導いてこられたことを目の当りにさせられた思いがした。まさに動かしがたい事実の証明であった」と述べて、統一原理が神の摂理内容を決定的に実証するものであることに驚嘆しておられるのである。

ところで、統一原理の内容は既成のキリスト教界で長らく信じられてきた内容と異なる部分があるために一般のクリスチャンからは敬遠されることもある。しかし、キリスト教の教義や神学をただ信ずるだけでなく聖書の内容について真剣に追求されたクリスチャンで、聖公会の熱心な信者でもあられた松下正寿博士(元立教大学総長、故人)は、「我々(クリスチャン)は救いの関門には立っているが、まだ完全に救われていない。既成教会は立派な贖罪論を説いてくれるが、それは観念的であって、我々に迫っては来ない。……既成教会がいかに力説して我々に『すでに救われているぞ』と教えてくれても、我々の実感はそれを拒否する。……それに反し統一原理は、『十字架の血の贖罪で……霊的救いの基台のみ完成された』と説く。この方がはるかに合理的であって納得が行く」と述べられ、統一原理が既成のキリスト教信仰をも越える内容を含んでいることを率直に告白しておられる。

 しかし、勘違いしないでほしい。本書が統一原理の内容を根拠として展開しているからと言って、決して読者を特定の宗教や宗派に導こうとするものではない。実際、統一原理はイスラム法典最高解釈官であるアーマド・クフタロ師(シリア)や、ユダヤ人の著名な神学者であるルーベンスティーン博士(フロリダ州立大学教授)等によっても熱烈に支持されていることからも御理解いただける通り、統一原理はもはや宗教や宗派などという狭い枠を完全に超越してしまっているのである。いわば、宗教と科学を調和的に統一しうる唯一最後の理論なのである。

この統一原理の趣旨は、1993年7月に米国国会でも発表された。その感動的内容が議員たちの精神に与えた影響は絶大で、米国ではその日を記念して毎年7月第4日曜日を国民の祝日(「父母の日」)にするという議決案が米国連邦議会の上院・下院で承認され、94年10月14日クリントン大統領の署名によって正式に国家の法律として制定されたのである。また、93年9月7日には国連本部に世界74か国の国連大使らを中心として約600人の有識者が集まり、そこで統一原理の本質的内容が文鮮明師夫妻によって公表された結果、文師とその運動(統一運動)および統一原理の内容が全世界の注目を受けることとなっのだ。

 しかし、残念なことに日本ではそういう事実は全く報道されない。その理由は、日本のマスコミが思想や宗教の問題に対してあまりにも無知であり、しかも常に低俗卑猥な話題をかき集めてきて煽動するワンパターン報道を繰り返していないとテレビの視聴率や雑誌の売上げを維持できないという哀れな体質を持っているからである。そして、そのような日本のマスコミの体質に巧妙につけ込んで論陣に居座り続け、不当な宗教弾圧を繰り返すことで金儲けをし続けてきたのが左翼思想のジャーナリストや左翼弁護士(特に「人権派」と呼ばれる弁護士)たちなのである

そのことについては別に論じる機会もあるかと思うが、ともかく日本のマスコミで報道されている内容を真実であると思い込むことほど危険なことはない。日本のマスコミ業界は超低レベルの思想に洗脳された状態であるから、そういう意味で日本人は真実の世界の動きや本当に有益な情報を知るという基本的権利を不当に制限された状態に置かれていることに早く気づかなければならない。

 日本は21世紀においては世界のリーダーとしてきわめて重要な役割を果たすべき国であるが、その際に全世界を支配しているユダヤ・キリスト教の歴史のカラクリを見破り、その教義の本質的問題点を熟知していなければ、絶対にリーダー役は果たせないであろう。

また、もともと日本人は元来そういう使命を果たしうる優秀な民族なのである。ただ、戦後の歴史の歯車が大幅に食い違ってしまったために日本人自身が本来の良質な個性を見失っているだけの事なのだ。したがって、本書は日本人が真に果たすべき世界的な使命について真剣に考えるためのヒントを提供するものでもある。

私は、皆さんに世界と日本の思想的なギャップを埋めていただきたいと期待している。ただ、世界の歴史や現状は完全に「聖書」の内容と連動しているので、本書では日本人には馴染みが薄いとも言える聖書の物語などが多く出てくることは避けられない。しかし、聖書の世界を抜きにしては人類史の真実の姿が見えてこないのである。私としては聖書に接する機会が少なかった読者に対しても可能な限り解りやすく説明する努力をしたつもりである。無論、その成果がどれほど実っているかは読者の御判断を待つしかない。

 ともかく、今世紀末から新世紀の出発にかけて人類歴史の終末(総清算)ともいうべき大激動が予想される。思想も出尽くした。最強と思われた共産思想もベルリンの壁と共に崩壊した。終末が人類史の「最後」を意味するとすれば、「最初」の原点に立ち返らないとその真意は解明できない。終末を超えて21世紀を新しく開く、唯一残された視点があるとすれば、天地創造以来今日までの歴史を奥深く一貫して見つめてこられた創造主(神)からの視点があるのみである。我々は神と同じ視点を共有するという驚くべき体験を経ることよってのみ、人類史の真の意味と将来を知る事ができるのである。

 ではお約束通り皆さんを、迷いに迷った人類の迷路のような歴史の謎解きに御案内しよう。謎解きのルールはたった一つ、今までお受けになった教育に一切とらわれず「自分の頭で考えること」だけである。


※本書が隠れた超天才たちの手に早急にゆきわたり、完全に理解されることを切望する。いつの時代も、そういう所からしか真の革命は起こらないものであるから。

2000年9月2日
江 本 武 忠