相撲の八百長問題で、「八百長」と「(故意による)無気力相撲」が同一かどうか、という話題がありますが、これは同一じゃないでしょう。
八百長は最初から勝負が決まっているので、真剣勝負をする気力はありません。よって、八百長は「無気力相撲」の一種です。
でも、怪我などで体を痛めていた場合、勝負がつく前に自分の体をかばって(翌日の試合に響くので)、思わずガクッと「腰くだけ」みたいになる現象はあります。そういう「無気力相撲」のケースもある。
「全ての八百長は無気力相撲である」 「無気力相撲は、必ずしも八百長ではない」
論理学のほうで、判断における概念の「周延」という関係がありますが、これら二つの命題の場合、「八百長」という概念は周延しているのですが、「無気力相撲」は不周延なのです。
それを強引に、二つの概念がイコールか否かと迫るマスコミの議論は、いささか論理的に乱暴な論法じゃないか、と私は思います。 |