ある天使長

 

   

 ●聖書によると、ものすごい数の天使が存在しているのですが、全ての天使の中で神から一番信頼されていた天使が「ルーシェル」というハンサムな天使で、彼が「天使長」に選ばれたのです。ところが彼は自分が宇宙の中心であるかの如く傲慢になり、やがて神様に反逆するようになりました。すなわち、神様に子供(アダム)が誕生した時、アダムが宇宙の支配者になってしまうことを恐れ、アダムとエバが結婚する前にエバの最も神聖な機能を汚したのです。つまり、強姦したわけです。信じがたいことかもしれませんが、聖書の記述に忠実に従えばそのように理解されます。
 私たちがいつも「神と悪魔の混血児」のような心を持ち、まじめな人でも時々悪魔のような「血がさわぐ」のは、悪魔がエバを性的に蹂躙して以来ずっと人間の血統を支配しているからに他ならないのです。まさに人類は神と悪魔という二人の親の中間に位置しており、真の親を見失った悲惨な孤児のような状態に置かれているのです。

 なお、悪魔と化したルーシェル天使長を「サタン」と呼びますが、悪魔の支配下に置かれた一部の天使や悪霊人等の勢力を総称して「サタン」と言うこともあります。
 天使については一般には目に見えないだけに様々な異説もあります。「エル」というのは天使の名前に使用される語尾で、「ルシ・エル」「ミカ・エル」「ガブリ・エル」という三大天使長が存在するとも考えられていますが、ルーシェル天使長が罪を犯した堕天使であるという事実については見解が一致しているようです。